ゲストハウスの清掃スケジュールの組み方|ドミトリーと個室の混在
ドミトリーはベッド単位、個室は部屋単位で入れ替わる宿の清掃スケジュールの組み方を解説。順番の決め方と、ボードを部屋・ベッド・時間でどう整理するかを実例で紹介します。

結論:清掃の単位は「部屋」と「ベッド」の2つに分けて考える
ドミトリーと個室が混在する宿の清掃表で一番多い失敗は、すべてを「部屋ごとの1行」で管理してしまうことです。ドミトリーではベッドごとにチェックアウトの時刻が違い、同じ部屋にまだ連泊のゲストが寝ていることもあります。個室は出たら部屋全体を一度に入れ替えるだけです。
そこで、次の3点を決めると回りやすくなります。(1) ドミトリーは「ベッドのリネン交換」と「部屋の床・ゴミ・水回り」を別のタスクに分ける。(2) 順番は「次の到着が早い部屋から」で決める。(3) ドミトリーには「全員チェックアウト済み」と「連泊者が残っている」の2種類があり、前者を先に回す。以下、この考え方を順に説明します。
なぜ混在型は順番が難しいのか
個室の入れ替えは単純です。チェックアウトが終わったら、清掃して、次の到着に備えるだけです。
ドミトリーは事情が違います。たとえば6ベッドの部屋で、2人が朝に出発し、2人が連泊、2人はその日の夜に新規到着だとします。このとき必要な作業は次のとおりです。
- 出発した2ベッドのシーツ・枕カバーの交換
- 連泊者のベッドは触らない(連泊清掃の方針は宿ごとに決める)
- 床・ゴミ・共用部分の清掃は、全員が部屋にいない時間帯にまとめて行う
- 新規到着の2ベッドは、到着までに使える状態にしておく
つまり「部屋は営業中のままベッドだけ入れ替わる」状態になります。これを個室と同じ1行の「清掃済み/未清掃」で表すと、スタッフが現場で毎回確認する手間が増えます。
ボードの組み方:部屋の行を、ベッドの行に展開する
紙でもスプレッドシートでも、考え方は同じです。
1. 行の作り方
- 個室:1部屋=1行
- ドミトリー:部屋の見出し行+ベッドごとの行(例:Dorm A / 1〜6番)
2. 列の作り方
- 最終チェックアウト予定(その部屋・ベッドが空く時刻)
- 次の到着予定(その日のいちばん早いチェックイン)
- 連泊者の有無
- タスク種別(リネン交換/部屋清掃/連泊清掃)
- 担当者・状態(未着手/作業中/完了/確認済み)
特に重要なのは「最終チェックアウト」と「次の到着」の2列です。この2つの間が、その部屋を清掃できる時間帯になります。
3. 例:ある日のボード
| 場所 | 空く時刻 | 次の到着 | 状況 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|
| 個室201 | 10:00 | 13:00(早着) | 全員出発 | 1番目 |
| 個室202 | 10:00 | 15:00 | 全員出発 | 3番目 |
| Dorm A(6床) | 10:30(全員出発) | 16:00 | 連泊なし | 2番目 |
| Dorm B(6床) | 2床が10:00出発 | 18:00 | 連泊者4名 | 4番目(リネンのみ先、部屋清掃は日中の不在時間に) |
この表のとおり、優先度は「次の到着が早い順」に、「全員が出ている部屋」を先にして決めています。連泊者が残るDorm Bは、リネン交換だけを先に済ませ、床などの部屋清掃は連泊者が外出している時間帯に回します。
順番を決める4つのルール
- 早着・アーリーチェックインの個室を最優先にする。到着が早い部屋ほど、清掃の余裕がなくなります。
- 全員出発済みのドミトリーを、連泊者が残る部屋より先にする。部屋全体の作業を1回で終えられるからです。
- 連泊者のいるドミトリーは、時間帯を固定する。たとえば「11時〜14時は部屋清掃の時間」と決め、貼り出しておくと、ゲストも予定を立てやすくなります。具体的な時刻は、宿の立地や客層に合わせて決めてください。
- 遅いチェックアウトのベッドは「後追いタスク」にする。固定の時間帯に間に合わなかったベッドは、無理に全体の流れに混ぜず、別枠のタスクとして追加します。
ドミトリー特有の注意点

- 同日到着のベッドを見落とさない。個室は部屋が埋まるか空くかですが、ドミトリーは「この日に何ベッド入るか」で必要な準備が変わります。到着予定のベッド番号は、清掃担当にも見える形にします。
- ベッドの割り当て変更を反映させる。ベッド単位の入れ替えが起きる以上、「どのベッドに誰が泊まるか」が変わると、清掃対象のベッドも変わります。フロントが割り当てを動かしたら、清掃ボードも同時に更新される運用にしておかないと、使っていないベッドを整えたり、使うベッドを飛ばしたりする原因になります。
- 民泊(住宅宿泊事業)の物件は、ほとんどが「1棟・1室単位」の入れ替え。その場合は個室型の考え方で足ります。ドミトリー型の考え方が必要になるのは、相部屋を運営している宿です。
Kimchee PMS で運用する場合
ここまでは、紙でも表計算でも実践できる内容です。私たちは釜山で、客室約38室のゲストハウス(One Way Guesthouse)や、約45室のゲストハウス(KIMCHE Guesthouse Downtown)など、複数の宿を自分たちで運営しており、同じ悩みを現場で経験してきました。その経験をもとに作ったのが Kimchee PMS です。
Kimchee には、ベッド単位のカレンダーと客室・ベッドの割り当て、ハウスキーピング管理が入っています。スタッフのログインは名前と6桁のPINで、役割の一つに housekeeping があります。予約や割り当てと同じ場所で清掃状況を扱えるので、「フロントが動かした割り当てが清掃表に反映されない」という二重管理を減らしやすくなります。機能の詳細は機能ページ、全体の流れは仕組みのページにまとめています。
なお、どの料金プランでも機能は同じです。客室数に応じた料金は料金ページで確認できます。
まず今日やってみること

- 直近1週間の予約から、「ベッド単位で出発が分かれた日」を1日選ぶ。
- その日のドミトリーを、ベッド行に展開した表に書き出す。
- 各部屋の「空く時刻」と「次の到着」を並べ、前述の4つのルールで順番をつける。
- 実際の作業と見比べて、ずれたところを記録する。
1日分でも書き出してみると、自分の宿で詰まりやすいのが「連泊者のいる相部屋」なのか、「早着の個室」なのかが見えてきます。そのうえでツールを選ぶ、あるいは今の表を直すのが近道です。
混在型の宿の清掃運用について、ご自身の宿の部屋構成で相談してみたい方は、お問い合わせページからご連絡ください。
